TRAVERING

なぜ旅に出るのか?そこに地球があるからさ。

いか~~~~~ん!今度こそ「有田焼」しかありませんぞ! 桃鉄グルメぐり~佐賀編~

   

ボンビ~! 「おや?」と、僕はこのときようやく気づいた。

「九州って九県あるんじゃなかったの?」と。福岡、長崎、宮崎、鹿児島、熊本、大分、あと、佐賀? 数があわないことに、ようやく気付いたのである。なんでも昔は、筑前、筑後、豊前、豊後、肥前、肥後、日向、大隅、薩摩という九つの州(くに)に分かれていたから「九州」と呼ばれていた。そんな説が有力だという。

なにはともあれ、SAGA さが。「はなわ」のおかげで、ちゃんと認識していますとも。

しかし、桃鉄において佐賀駅は存在しない。佐賀県で唯一あるのは有田駅。有田駅といえば有田焼。「いか~~~~~ん!」のイベントでおなじみの「有田焼き物工房」である。

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ひとまず、有田駅に行ってみると、おや?

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これは、もしかすると……?

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いか~~~~~ん! ぜんぶ有田焼ではないか!! なんておもしろい街なんだ。

陶器の名を持つ、「陶山神社」に行ってみると。

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ぜ~~~~~んぶ! 有田焼ではないか!!

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有田駅から続く商店街は、そのほとんどが有田焼のお店。江戸時代からの古民家に大正デモクラシーな洋館も入り混じり、歩いているだけでもより取り見取り。

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ふらりとお店に入ってみても、どのお店も博物館のよう。ガラスケースに展示された重要文化財的な有田焼から、現代的な見たこともない碧色を見せる有田焼まで、飽きもせずに眺めていられるものばかり。

商店街の終点には「泉山磁石場」という、陶器の原料となる陶石が彫られていた跡地もある。なんでも「四百年かけてひとつの山を焼き物に変えた」と言われているらしく、その光景は圧巻である。

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有田焼とは、この有田町周辺で作られている磁器のことをいうが、17世紀にここ泉山で陶石が発見されたことからはじまる。そして、酒井田柿右衛門を中心とする有田の人たちによって、磁器界に革命が起きる。単色が当たり前だった世界が、彩色により色鮮やかに一変したのだ。

有田を治めていた鍋島藩はこの技術を守り抜いた。石川県の加賀国、つまり九谷焼でも同じことが起きていたが、これらの技術が外部に漏れると有田焼の価値が下がってしまう。現代でも日本の半導体技術が中国などに漏れてしまうことを悔やんだりするが、この地に職人たちを閉じこめることで有田焼の価値や、職人たちの暮らしを守ろうとしたわけだ。

有田駅を降りてからというもの、異様なまでに広がる有田焼だらけの光景は、ほかの町では決してありえない。有田では情報漏洩を防ぐためにあえて閉鎖的になることで、未だにブランドが色あせていない。この町の光景はその証でもあったのだ。

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ちなみに、桃鉄でいう「セラミックパーク」とは「有田ポーセリンパーク」のことだろう。有田焼のことが学べるテーマパークとのことだが、これは明らかにバブルの遺産。長崎のヨーロッパ村こと「オランダ村」と同じにおいがする……。

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現代では、ゴスロリのコスプレでインスタ映えするのに「いいね!」な場所として密かな人気を博している。

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ちなみに、僕が有田の物件に新しく加えるとしたら「ヌルヌル温泉」。ただの温泉ではない。ヌルヌル温泉である。

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地下100mと、温泉にしては浅い地点から汲み上げているため、温度は低めの18度。もっと深くまで掘れば熱い温泉は出るかもしれない。でも、それだと成分が変わってしまう。それもあって現在はお湯で割っている。

ヌルヌルである理由は、大昔の海の沈殿物が溶けこんでいるから。そのためにアルカリ性が高くなりヌルヌルを感じるという。とはいえ、「ヌルヌル」と呼ばれる温泉には、僕だって全国各地で浸かってきた。それでも、ここ有田の温泉は、ヌルヌルを超えて、とろっとろ。

その証拠に、アルカリ水素イオン9.0以上の温泉をリストアップした中でも、全国9位にランクインしているという。

ちなみに水風呂もヌルヌルである。それだけではない。この温泉には「スイミングスクール」が併設されおり、これもまた温泉が使われており、やはりヌルヌル。もともとの温度が低いゆえに、加水もしていないため、実は温泉よりもヌルヌルなのだ。

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さて、これまで7回に渡って連載してきた「桃鉄グルメぐり」。僕は九州は九県あるという計算で、物件が少ない駅は最後にまとめて全8回の連載とするつもりだった。が、九州が七州しかないことに後から気づいてしまった。沖縄か? いや、沖縄は九州って感じがしないしなぁ。

 

次の目的地は、どこにしよう?

 

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