TRAVERING

なぜ旅に出るのか?そこに地球があるからさ。

スゴイ!が日常!与論島

      2016/09/12

与論島

この青が鹿児島だと信じられますか?

大潮の干潮時にしか姿を現さない幻の浜「百合が浜」。出現率は1ヶ月のうち数日間。しかも、そのうち数時間だという。

与論島に着いてさっそく観光協会で聞いてみると。

「えっと……あ、今日ですね」

なんと!
晴れ晴れするとはこのこと。秋晴れの10月は観光客も少なく、絶好のコンディションの百合が浜に降り立った。

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青いっ!青すぎる!

ハワイより、タイより、パラオより綺麗!
モルディブは行ったことないけど、たぶん百合が浜のほうが綺麗!

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冒頭の広告みたいな写真も(コピーも)、借り物ではなく僕が撮影したもの。リアルにここまで美しいのです。

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鹿児島県大島郡にある「与論島」は、九州最南端の島。

一周しても20kmぐらいの小さな島で人口は約5,000人。沖縄とも奄美とも違い、鹿児島のイメージとも違う。基地もない、ハブもいない、海はとてつもなく青い。それだけでも楽園だが、スーパーや飲食店、自動販売機、ガソリンスタンドなどの数が島民の数に比べて異常に多い。おまけに空港が「駅近」レベルの距離にある。不自由がなさすぎる離島なのだ。

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なんでも、バブルの頃までは観光客が絶えない島だったという。
空港がなかった当時は、フェリーが到着するとタラップからではなく、貨物を下ろすところから観光客が溢れ出てきたそうな。

町の中央部にある「銀座通り」は、かつては歩行者天国。原宿の竹下通りのごとく肩をぶつけあって歩く賑わいだった。商店は多いところで1日200万を稼いでいたが、今は2万程度にまで落ち込んでしまったという。

沖縄が返還されたことに加え、ハワイやサイパンも観光地として競合となり、与論島は負けてしまった。そう話す島の人たちの表情は意外にも明るい。ニコニコしながら「与論に来てくれてありがとう」と声をかけてくれるのだ。

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与論島には「与論献奉(よろんけんぽう)」という習慣があり、飲み会の場では盃をまわす。その際に必ず自己紹介をするのだが、1週目は誰もが無難な自己紹介をする。しかし、2週目、3週目とまわってくるうちにトンデモエピソードが出てきたりして、初対面でも自然と打ち解けてしまう。この文化は与論島と宮古島にしかないらしく、それだけ島民の方たちがオープンで、外から来た人を受け入れてきた証かもしれない。

離島なのに若者も多くいる。大学進学のため東京に行く人は多いが、たいていはすぐに帰ってくるという。そりゃそうだ。この島にはすべてがある。アマゾンを使わなくてもたいていの物はそろう。なのに、この海、この時間。それ以外に何がいる?という話だ。

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将来は小笠原に住もうと思っていたが、与論島も捨てがたい。
というのも、かなりの部分で似ているのだ。円形の島で半日あればぐるりと一周できるところ。インフラが適度に整っていて暮らしやすいところ。そして、ビーチの数が多くてひとりになれる場所に困らないところ。

違いは、小笠原と違って山がないこと。星空の美しさや、潜ったときの楽しさは小笠原のほうが好き。しかし、見た目の海の青さや、ビーチまでのアクセスのよさ、総合的なコストの低さ、飲食店などのインフラもより整っているのが与論島。

これは悩ましい。しかし、どちらも最高だ。とにかく綺麗な海にいつでも飛び込める島に住みたい!小笠原のときと同じく、与論島のビーチランキングをまとめてみると

1位:ウドノスビーチ

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通い詰めたウドノスビーチ。港と隣接していてこの青さ。ここで夕日を待つ時間が素晴らしい。建物のあたりの岩に見えるのはサンゴ。もともと50万年前にサンゴが隆起して生まれた島だという。

2位:メイラビ海岸

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百合が浜がある大金久海岸から少し離れたこの海岸。大金久海岸は人が多いので、誰もいないこの場所で、ぼんやりと青を眺める時間が最高だ。

3位:寺崎海岸

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映画「めがね」のロケ地。と言うと「あ〜!」となる人は多いだろう。本当の自由とは何なのか、この場所で見つめ直してみる時間は至高かもしれない。

4位:皆田海岸

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この地元の少年、うらやましくないですか?砂場ではないので、服も汚れず気軽にゴロゴロ読書できる。僕が住んだら少なくとも週3で通うであろう。

5位:パラダイスビーチ

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「青い珊瑚礁」という食堂の「よろんそば」は350円でうまい。その裏手にあるこのビーチ。食後に一服しながら海を眺める時間もまたうまい。

次点:尾道遊歩道

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ビーチではないが、遊歩道から眺める海も息をのむ美しさ。与論島には60以上のビーチがあると言われている。自分だけのお気に入りの海岸を見つける旅をオススメしたい。

 

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ひとり旅で与論に来たなら「ドミトリーKAI」。

この宿は本気でオススメ。オーナーの阿由葉さんは、与論の人ならみんな知ってる有名人。雑誌FIGAROでも紹介された「海カフェ」をはじめ「石窯ピザ」のお店や「ギャラリー海」まで。構想から建築まで独学で興してきた鉄人。沢木耕太郎世代の旅人でもあり、60〜70年代のバックパッカー文化やヒッピームーブメントにも精通している。

与論島が大好きになったのは、阿由葉さんともうひとり、竹さんという尊敬してやまないお二人に出会えたからなのですが、それはまた別の機会に書きたいと思う。

与論島、来年に再び行くことは決定事項である。

志賀章人未来住まい方会議by YADOKARIで連載させてもらって早1年。「スゴイ!が日常!小笠原」もあわせてご覧ください☆

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