TRAVERING

なぜ旅に出るのか?そこに地球があるからさ。

好きなアニメOPをめぐる旅へ

      2020/05/04

アニメには観るたびに心が昂ぶって涙がでるようなOPがある。人はそれを「飛ばせないOP」と呼ぶ。

1クールにつき全12回。とある作品においては、毎回、飛ばさずに見入ってしまう。それは、アニメという映像表現の魅力が詰まった90秒なのだ。

ぼくが好きなアニメOPは3つの要素に分けられる。

1つめは「楽曲との連動性」。エヴァに代表されるような音にあわせたパンピング。もはや快感であり映像的麻薬であるといえよう。

2つめは「視覚的なアート性」。タイトルやテロップをいかに魅せるか。あるいは色彩による世界観。アニメ化する題材に対するチャレンジが詰まったアイデアの宝庫である。

3つめは「感情としての物語性」。本編を象徴するものとして、またラストにつながる布石として、かけがえのないOPであることに気付かされることでテーマソングとして味わいが増す作品性である。

これから長いランキングに入る前に、まずは「殿堂入り」にして礎となるアニメOPをひとつ挙げておこう。

殿堂 新世紀エヴァンゲリオン

音にあわせて画面が切り替わるOPの先駆けにしてサブリミナルなカットの多さは画期的で今もぼくの好みの根底に通じている。

さぁ、ここからが本編だ。

 

『好きなアニメOPのランキング』を発表しよう。

 

第1位 カウボーイビバップ

「タッタラッターー」で飛行機が伸びるように飛んでいくところがたまらない。菅野よう子の楽曲に負けない映像表現のファンクさ。ルパンを超えたビバップとしての存在感がここにある。1,2,3の要素をすべて兼ね備えた傑作だ。そしてビバップもエヴァがあってこそ生まれた作品であろう。

第2位 ROD

ぼくの好みが偏っていることが露呈するかもしれない。今で言えば化物語の新房昭之に通ずるような映像表現。いつか、こんなテロップに名前を刻みたいものだ。

第3位 それでも町は廻ってる

こちらもテロップの見せ方にセンスがあふれている。さすがの天才・梅津泰臣。オープニングディレクターに彼の名があるだけでテンションが上がる。「Dimension W」のOPも好き。

第4位 ピンポン

あの松本大洋の絵が動いている!と衝撃を受けた作品。湯浅監督が描いたのか、と思っていたが作画は大平晋也さんらしい。GTOのOPを思い出すなぁ。

第5位 亡念のザムド

冒頭の「Run away Run away」のところがクセになる。そして、冒頭の手紙の連動性が物語を進めていくと心に刺さるようになる。

第6位 はねバド!

前半と後半で繰り返されているように見えるハイパースローモーなアクションは実は異なっていて「続き」になっている。それを知ったとき構成の巧みさに二度目の鳥肌が立つ。

第7位 ef – a tale of memories

この世界観こそシャフト。話数を進めるにつれて密かに変化していくOPという試みも初なのではないか。比較動画もあるので興味がある人は潜ってみてほしい。

第8位 Baccano!

群像劇をあらわすのにこれ以上ないフォーマット。デュラララに続く原点でもあるが、デュラララはOPの途中でハイライトがインサートされる瞬間が最高にかっこいい。

第9位 ルパン三世(2015年)

弾丸が飛び出してくるような3D表現が新しい。ルパンらしい最高級の表現美。

第10位 進撃の巨人2期

進撃の巨人はどのクールのOPもハイクオリティだが、個人的には2期がベスト。このぬるぬる感がたまらないし、血がたぎる。

次点 キルラキル

トリガー四天王のひとり、アニメーター吉成曜の1週間伝説、ここに極まれり。2期のOPもすこぶるほとばしっている。

総合ランキングでは1,2,3の要素を兼ね備えた作品を中心に選んでいる。とくに1の「楽曲との連動性」の比重が大きいと思う。そこで、総合ランキングでは選ばなかったが「視覚なアート性」と「感情としての物語性」において、それぞれ忘れられないOP作品を5つずつ選んでおく。

 

「視覚なアート性」部門

 

第1位 ユーリ!!! on ICE

2017年の話題をさらったこの作品。さすがにロトスコープのような手法を使っているようだが、ずっと見ていたいOPに仕上がっている。

第2位 冴えない彼女の育てかた♭

誰だ、この色彩設計を考えたやつは!と所見で独り言を漏らしたぼくはオタクなのだろうか。このカラーリングはいつかオマージュしたいものだ。

第3位 LUPIN the Third ~峰不二子という女~

先述のユーリ!!!や進撃の巨人のEDなども手掛けていたはずだが、山本沙代の作品はグロウマすぎて痺れる。モノローグをOPにするのも画期的。

第4位 化物語シリーズ

“シリーズ”とするのは少しズルいのだが、OPを章ごとに変えるという演出自体が新しかった。新房監督は上手に手抜きするための手法と謙遜していたが、こんなにたくさんのチャレンジをしていたら手抜きどころではない。シリーズの中では、ぼくは「staple stable」が1番で「白金ディスコ」が2番。泣いちゃうのは「perfect slumbers」。中毒になったのはやはり「恋愛サーキュレーション」。しかし、それらの表現は「まりあ†ほりっく」のOPが下敷きになっていることも見逃せない。

第5位 FREEDOM

広告クリエイターになりたいと憧れた作品のひとつでもあるFREEDOM。あのAKIRAが帰ってきた!と言いたくなる。ドドドド、とマンガエフェクトの中を走るシーンが最高。

 

「感情としての物語性」部門

 

第1位 この素晴らしい世界に祝福を

きれいな動画は見つからなかったが、このすばのOPは1期も2期も素晴らしい。もはや愛すら覚える4人の仲間たちの日常にして、90秒でひとつの物語が描かれている。

第2位 リトルウィッチアカデミア

アッコとダイアナのクロスオーバーからのシャリオとクロワのフラッシュバックからの“ワンシーン”に涙があふれる。何度見ても泣いてしまうのはリトルウィッチアカデミアの物語がその一瞬に凝縮されているからだろう。

第3位 魔法少女まどか☆マギカ

第10話の衝撃は今も身体に響いている。「交わした約束忘れないよ 目を閉じ確かめる 押し寄せた闇 振り払って進むよ」これまで何度も耳に刻まれてきた歌詞の主語が覆る驚き。同じ歌詞なのに涙が止まらない歌詞になるとは1話を見たときには想像もしなかった。

第4位 メイドインアビス

岡田斗司夫が言っていた。「メイドインアビスはどれだけ残酷な世界だとしても、その世界が美しいものであることをちゃんと描いている」と。その通りだと思う。まどマギのような演出がなくても話数を進めるたびに歌詞が輝いて聞こえてくるのだ。

第5位 交響詩篇エウレカセブン

交響詩篇、エウレカセブン、とタイトルが浮かび上がってくるところで泣いちゃう。好きすぎて完全にハブロフ。

最後に「もっと評価されるべき」な部門を紹介しておく。全編を通してとは言えなくても、瞬間最大風速的に好きなOPたち。

第1位 デス・パレード

第2位 宝石の国

第3位 Working!!

第4位 宇宙よりも遠い場所

第5位 serial experiments lain

ほかにも「妄想代理人」「ミチコとハッチン」「ゾンビランドサガ」「Psycho-Pass 2期」などなど、まだまだ好きなOPはあるのだが、ひとまずは筆を置こう。もっといえば、OPだけではなくEDからも目が離せない。むしろ単発のアイデアとしてはEDに光るものが多いのも事実。

 

おまけ「飛ばせないED」部門

 

第1位 さらざんまい

ここ最近でハマったED。実写をここまでアニメ的に表現できるなんて。田島太雄さんというクリエイターの仕業らしいが惚れ惚れする。すでに撮られているようだが、いろんな街で観てみたい。

第2位 ダーリン・イン・ザ・フランキス

いつもイイところでイントロが鳴るんだよなぁ。5人の女性キャラを乃木坂のようなアイドルにしてしまうというアイデアが素晴らしい。なによりデザインがよいよね。

第3位 エロマンガ先生

フルな動画はなかったのだが、なんだろう。とにかく紗霧ちゃんが可愛すぎて何度も見てしまったED。

第4位 かくしごと

この記事をまとめたのは2020年の春。今期のEDはこれがマイベスト。まるで江口寿史のイラストようなカラーリングがみずみずしくて気持ちいい。

 

思えば、たくさんのアニメを観てきた。あくまで「好きなアニメOP」というテーマでセレクトしたため、これまで紹介してきた作品が必ずしもベストアニメというわけではないが、嫌いなアニメはひとつとしてない。OPで興味を持ってくれた人がいれば、ぜひ本編を観てほしいと思う。

 

ちなみに「飛ばせないOP」という言葉の語源は意外にもPSソフトの「クロノクロス」であるそうだ。

クロノクロス

それでいえば、ぼくにとっては「WILD ARMS」。

WILD ARMS

早くゲームの続きがしたいのにスイッチを押すといつもギターのイントロにつられてOPを見てしまう。何度も見てきたはずなのに転調するところで胸が熱くなり、コントローラーを握りしめたまま静かに昂ぶっていた。きっと両親からすればゲームをはじめる前の不思議な儀式のように写っていたことだろう。

ぼくたちはきっと、冒険がしたかったのだ。大人になった今、ぼくたちは夢見た冒険ができているのだろうか?

 - 旅シネマ・旅ブック