【寄稿】アメリカン・エクスプレス「ダイニングトレンド」
2020/06/07
アメリカン・エクスプレスが運営する「ダイニング・トレンド」というメディアで日本の小さな旅の連載を書かせていただきました。
大人のオトコのメディアということで、いつものぼくではないテンションが含まれていますが、気になるトピックスがあれば、ぜひ画像をクリックして続きを読んでみてもらえるとうれしいです。
首都圏地下に隠された
“たまらない”絶景
そこは、ただの地下神殿ではなかった
首都圏外郭放水路。ありふれた素材すぎて、新たに書けることはないと思っていた。それでも、過去の記事を読み込んで、実際に行って話を聞いて、深掘りしてみると見つかるのだ。ありふれていないエピソードが。何より写真。文章だけではまだ足りないと思ってプロのカメラマンにお願いすると、さすがの写真。まるで絵画のような写真がいくつもあるが、それは精密な計算と鍛錬した記述がなければ撮れないはずだ。泣く泣くボツにした写真も含めて僕だけの宝物とさせていただきます。さすがの杉浦弘樹さんでした。
これ以上の穴場はない
「埼玉のカッパドキア」9勝1敗で埼玉の勝ち
「埼玉のカッパドキア」の近くには、「埼玉のサクラダファミリア」と「埼玉のベンメリア」までありました。絶景の誇大広告が氾濫している、と思いきや、しっかり町を調べて歩いてみると、お目当ての絶景以外にもたくさんの見所が見つかる。そういうことが伝えたかった記事でした。
埼玉に行く小さな旅でも、ぼくは始発で動きはじめて12時間は歩いた。こういうことが楽しくて仕方ないぼくは旅バカなんだなぁとつくづく思います。
釣りではない、狩りである。
ワカサギ釣りは男の本能を狩りたてる
氷にキリキリと穴を開けて、針を垂らす。あの「ワカサギ釣り」ができる場所が都内から日帰りで行ける場所にありました!
大人のモビルは遊びじゃない
真の「スノーモビル体験」で男の冒険心を取り戻せ
また、サトウ教官にモビルを習いに行きたい。モビルはまさに男の中の男の乗り物です。
日本一の富士山と日の出を映し出す「精進湖」
決意を新たにする元旦の朝
——途中から、言葉を失った。
日の出を迎える時間というのは、自然の中に映し出される「自分」と対話する時間なのかもしれない。太古の日本人にとっても同じであったはずだ。
富士山に魅きつけられ、圧倒され、感動する。今を生きる人の中に眠る太古の昔から受け継がれてきた遺伝子が呼応しているせいかもしれない。彼らが見てきた景色がそこにあり、生きてきた時間以上の過去が、そこに映し出されるのではないかと思うのだ。
夢に見るのは絶叫か、それとも絶景か。
紅葉の寸又峡で「夢の吊り橋」を体感せよ。
記事の最後に載せた写真を見てほしい。この旅で一番の絶景だったのが、この景色は本文中では書いていない秘密のスポットで見ることができる。
寸又峡から県道77号線を20分ほど引き返し、大井川ダムに最も接近した地点にあるT字路を「左折」する。とはいえ、それが道だとは信じられないかもしれない。道は土砂にまみれ、氾濫した小川を越えていく必要がある。途中で巨猿にも出くわしたぐらいだ。
99%の車は左折できることにすら気づかないかもしれないが、あえて獣道を選ぶことで絶景が現れるのだ。すべての冒険譚が、目的である宝物そのものよりも、そこに向かう途中の冒険に本当の宝物を見出すように、ここから見た景色もまた、ぼくの宝物となった。
というわけで記事のメインは、寸又峡の「夢の吊り橋」と「畑薙大吊り橋」。とくに後者はぜひ訪れてみてほしい。観光客に埋もれることなく、静かに紅葉を味わえるはずだ。