【寄稿】人生には、人生に必要のないものが、必要だ。煙とシーシャを囲んで話をしよう。
2017/02/13
水タバコはなんだかアヤしい。そう思っている人ほど魅せられる。カフェのように気軽に立ち寄れて、アップル、ピーチ、ミントなどフルーティーな味と香りに癒される、それも、最高にゆるい空間で、と、ここまでは知っている人も多いだろう。しかし、日本の水タバコ屋は独自の進化を遂げつつあった。
消えない煙の流派がある。
本編には書かなかったが、おもしろいことに、水タバコ屋には「流派」のようなものがあるらしい。それぞれの水タバコ屋には、その店のタバコ葉を味わうための最適な煙があり、亮さんたちスタッフは、お客さんの煙を見ただけで普段通っている店がわかるという。
では、ばんびえんの煙にはどんな特徴があるのか。それが「爆煙」なのだという。
爆煙とは、読んで字のごとし。炭を盛って盛って煙が大量に出るようにすること。炭の消費もタバコ葉の消費もはやくなるが、口を開ければ煙が止まらないほど出てくるのは、気持ちよくておもしろい。とはいえ、もちろんはじめて水タバコを吸う人であったり、好みの煙がある人には、その人にあった煙に近づてくれる。
「ボクの師匠が爆煙だったんで、身体がそうなっちゃったんですよ。さっきも話にでてきた高田馬場でお店をやっていた方なんですが、結局、いっしょにいる人に煙って似てくるんですよ。ファッションや口調もうつるじゃないですか」
亮さんの師匠のそのまた師匠も爆煙であり、亮さんが水タバコを教えたばんびえんのスタッフたちもみな爆煙。そうして煙は消えずに受け継がれていくのだった。
>>人生には、人生に必要のないものが、必要だ。煙とシーシャを囲んで話をしよう。