TRAVERING

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インドの結婚事情と日本の婚活ブーム(2日目-3)

      2016/11/23

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MGロードの繁華街からホテルに帰ると、ラシールが買ってきてくれたケララ行きのバスチケットを受け取った。ケララで住んでいる弟にも話をしてくれて、バスを降りたら迎えに来てくれるという。

バスターミナルへ行き、出発まで何時間待たされるだろうと考えていたら、たったの30分の遅れでバスが来た。北インドでは数時間待たされることもザラだったが、スムーズに事が運びすぎて驚かされる。
待ち時間に隣り合ったインド人に話しかけてみると、彼はIT企業で勤めているらしくケララには出張で行くという。いちばん大切にしている言葉を聞いてみると、“Free religions”と、インド人らしい答えが返って来た。

「インドには色んな宗教があるし、いろんな性格の人や色んな考え方の人がいる。ぼくはそのどれもを否定しない。すべてを受け入れようと心がけてるんだ。」

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やがて来たバスに乗り込み、チケットに書いてある席を探す。通路側の席だったので座っていると、あとからスマイリーなインド人がやってきた。見るからにいい人そうだなぁと思って見ていると、どうやら隣の窓側の席だった。通路側に座っている僕が通り道を空けようと思ったら、

「窓際に座るかい?そっちのほうが楽でしょ?もちろん君が望むならね」

スマイリーにそんな声をかけられた。インドの景色を見たかった僕は、お言葉に甘えることにする。席に並んで話していると、名前は「サミュエル」というらしい。出張ですか?と聞いてみると、

「実はお見合いの帰りなんだ」

そう言われて驚いた。しかも、2ヶ月後に結婚するという。彼女もサミュエルが住んでいるケララに来てくれることが決まったらしく、今度このバスに乗るときは二人で帰るだろうね、と、のろける。このスピード感には驚かされるが、インドではお見合い結婚が80%とも言われ、結婚相手は親が決めるもの、という慣習があるらしい。それでいて離婚率は1.1%。詳しくは「インドのプロポーズ事情」をサク読みしても驚かされるはず。

日本では晩婚化や婚活ブームが進んでいるが、はじめから完璧な相手を選ぼうとしすぎなのではないか。ある意味では誰でもいいのかもしれない。この人とやっていく、という覚悟さえあれば、人と人は必ず合わせられるはずなのだ。それを、ここはイイけど、ここはダメ、と考えすぎたり、比べすぎたり、理想を求めすぎたり。そうして肥大しきった結婚相手像など見つかるわけもなく、年を取りすぎてしまうのだ。
勢いで結婚したヤンキーカップルが、なんだかんだで子沢山で夫婦仲も良さそうに見えるのはそういうわけではないだろうか。サミュエルからインド人の結婚事情を聞いていると、そんな気がしてくるのであった。

それにしても、サミュエルはずっとスマイリーで、人のよさが本当によく伝わってくる(いいお見合いができて頬がゆるんでいたのかもしれないが)。やはり、こうして偶然出会う人はいい人ばかり。前回エントリと同じ結論ですが、インド人コワイ……というイメージがあるとしたら、ぜひインドでは自分から話しかけた人と仲良くなってみてください。ほとんどのインド人がやさしい人だと分かるはずだから。

 

つづき↓
見どころは、観光よりもインド人。(3日目-1)

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