どうして「イスラム国」という言葉で報道するんだろう。
どうして「イスラム国」って報道するんだろう。
イスラム教やイスラム国家がみんながみんな悪いみたいじゃないか、と思ったら、原語は「Islamic State」だった。確かに直訳するとイスラム国だ。
でも、直訳すればいいってもんじゃない。コピーだって、そのまま言っても伝わらないから100案も200案も言葉をひねるのだ。報道の言語は凶器にすらなるのだから、もっと慎重にならなくてはいけないと思う。
実際にエジプトのイスラム法学者は「イスラム国」という言葉を使わないでほしいと外国メディアに求めたそう。英語圏では「Islamic State of Iraq and Syria」の頭文字で「ISIS(イシス)」と呼んでいる。と、ここで聞いたことがある言葉にようやく結びついた(僕が無知なだけかもしれないが)。
だとすれば、どうして「ISIS」で統一しないんだろう。既存の言葉や概念を傷つけない言葉になっているのに、わざわざ「イスラム国」って言葉を使う理由はなんだろう。ISiSというトヨタの車があるからだろうか。世論をイスラム国家をまるごと悪者だと誘導するための陰謀なのだろうか。思い返してみれば、日本でもちょっと前まで「イラクとシリアで活動するイスラム過激派組織」とかって言ってた気がする。長いから短くした、なんてマックとかじゃないんだから!ってことを考えてモヤモヤしてる。
写真のぼくが汚物すぎるけど、ぼくがシリアにいたころは、町を歩いてるだけで「ウェルカム トゥー シリア!」って笑いかけてくれる微笑みの国でした。治安が良すぎて、ヒッチハイクもすごく安心だった。「イスラム国」という言葉や「シリア」という国自体に誤解が生まれないことを切に願います。