TRAVERING

なぜ旅に出るのか?そこに地球があるからさ。

【エボラは他人事?】新拓也さんに聞く「世界と仲間になる旅」

   

よい旅をするには、よい旅をしている先輩に話を聞くのが一番!
安直で真剣な気持ちからはじまった「旅人100人会えるかなプロジェクト」。

今回の旅人は「新拓也」さん。
旅人チーム『Sunglial』の代表、そして「旅×人×ストーリー」をテーマにしたウェブメディア『Travelers Box』の仕掛け人でもある新さんに、お話を聞かせていただきました。

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「Travelers Box」を中心に、様々なコンテンツを発信する旅人チーム「Sunglial」。“サングリア”ってどういう意味なんですか?

ワインのサングリアって、高級なワインを使わないらしいんですよ。安いワインでも、色んな素材を入れて合わせることで、よりおいしいものをつくれる。そんな相乗効果を起こせるチームにしたい、という気持ちがベースにあります。

それと、もうひとつ。「グリア(Glial)細胞」というのが脳の中にあるんです。シナプスの伝達役で、目立たないけどすごく重要な役割を果たしているらしいんですね。自分たちもグリア細胞のように「人と人を繋げる存在になりたい」という想いがあって。ただ、そんな伝達役にも日を当てていきたい、注目を集めていきたい、そんな気持ちもあって、太陽の「Sun」をプラスすることにしました。

ワインの「サングリア」と「Sun+Glial」。その両方の意味でしっくりきたので、それを名前にしています。

 

新さんは、「Travelers Box」でインタビューもされていて、かなり著名な方々が出演されていますが、どうやってアポをとっているのですか?

僕はもう飛び込みです。たとえば、シモダテツヤさんの場合は、シモダさんのイベントに出席していて、交流会の時間に話をさせてもらっていたら、シモダさんも旅人だったという話を聞いて。その場で「インタビューさせてください!」ってお願いしました。

旅人ってフットワークが軽い人が多いんですよ。だから、すごく有名な方でも「いいよ!いつにする?」って、即決してくださったりするので、すごく助けられています。

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新さんが掲げている「世界と仲間になる旅」という理念はもちろんですが、「世界の出来事が、自分事になる」「インタビューではなくストーリー」という言葉にも、とても共感しました。

シリアには内戦があって大変だなって思ってる日本人は多いと思うんですけど、もし実際に友だちがシリアにいたら、それどころではないと思うんですよ。「あいつ、大丈夫か!?」って気が気じゃないはず。僕にはアフリカのNGOで働いている友だちがいるんですけど、そうするとエボラ出血熱も他人事とは思えなくて。その感覚を、もっとみんなに伝えたいなって思うんです。

話すと分かってくれる人は多いんですけど、それが自分ごとにはならないというか、腹落ちするレベルにはなっていないと思うんですね。誰もが心から納得できて、「行動が変わった」と言われるぐらいの発信を、Travelers Boxでやっていきたいです。

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これまで旅した中で、一番好きな国はどこですか?

そう聞かれて、パッと浮かぶのはインド。というか「インド人」ですね。あの人懐っこい性格とか、イザとなったら友だちを命を懸けて守る人間味とか、好きだなって思うんです。

ジャイサルメールにある砂漠で、「タルー」という名前のインド人と3日間ずーっと一緒にいたんですけど、焚き火をしながらお互いの家族の話をしたり、将来の話をしたり、とにかく本当にいろんなことを語り合いました。
すると別れ際に、タルーが大切にしている石をプレゼントしてくれたんです。「サドゥーからもらった石が2つあるから、1つ、お前にやる」って。もう涙が出るくらい嬉しくて、それからずっと身に着けているんです。

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インドって、「ふだん使わない感情を使う」というか、自分の感情に素直になることを思い出させてくれますよね。僕も信じられないことばかりで、よく泣き、よく怒り、よく笑いました。

インドではないんですけど、ラオスの片田舎にあるレストランで、メニューに『カツ丼』って書いてあって。「ラオスでカツ丼!?」と思って注文してみたら、店員がざわつきだしたんです。「あいつ“カツ丼”頼んだぞ……」みたいな空気になって。注文を受けたのはバイトっぽい人だったんですけど、いきなり誰かに電話をかけだして。

すると10分後ぐらいに、謎のふくよかなオッサンが原付に乗ってやってきて、やんややんや言いながら厨房に入っていったんですけど、『ドンドンドンドン!』って音が聞こえてくるんです(笑)。
「これ、明らかにカツ丼をつくってる音じゃねーよな」って思いながら待ってたんですが、最終的に出てきたのがコレ。

カツ丼

ライスの上に、謎の肉がドン!とあって、卵とじの代わりにタマネギの入ったやけに甘いスープ(?)が出てきた。店員も僕の顔を窺いながらおそるおそる出してきたんですけど、これが案の定、クソまずい(笑)。

これはネタになるなと思ってたんで、僕は全然怒ってなかったんですけど、店を出るときに「いくらですか?」って聞いたら、「Up to you.(お前が決めてくれ)」って。さすがのラオス人も申し訳なく思ったみたいですね(笑)。

そういうことが、日常でさらりと起きるのも旅のオモシロイところですよね!

 

【世界でやりたい100のこと】
ラオスのバンビエンにあるという『カツ丼』が食べられるレストランを探し出す。果たして、新さんの一件から進化しているのか?というか、なぜそもそもカツ丼なんだ!?ラオスのカツ丼の今を調査する。

※「旅人100人会えるかな」とは、旅人にインタビューをしながら、世界でやりたい100のことを探す旅です。

 - 旅人100人会えるかな